1 :◆EF4y/q4eOk:2018/09/10(月)20:51:20 :0rb(主)

初SS投稿です。
全アイドル出演してますが口調がおかしかったりしたら申し訳ありません。
長文なので苦手な方はブラウザバックをおすすめします!


2 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)20:52:48 :0rb(主)

Pさんが亡くなった。
それを知ったのは2日前の夜のことだった。


3 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)20:53:12 :0rb(主)

〈2日前の夜〉

未央「いやー。まさか私たちのオフが偶然重なってたとはねー」

卯月「はいっ!おかげでいい買い物ができましたっ!」

凛「ふふっ。卯月、楽しそうに買い物してたよね。見てるこっちも楽しかったよ」

未央「おやおやー?そう言って真剣に、それでいて楽しそうな顔でトップスを選んでたのは誰だっけー?」

凛「ちょっと未央!⋯まぁ、私も楽しかったのは事実だよ」

卯月「明日のPさんの反応が楽しみですね!」ブイッ

未央「私には分かるよ。「おっ、3人ともどうしたんだ?よく似合ってるじゃないか」って言ってくれる未来がね!」ピロリン

3人のポケットや鞄に入っているスマホから共通の通知音がなる。このタイミングで同時に鳴るということはアレしかない。

未央「どうやらグループラインの通知が来たみたいだねー。どれどれ」

未央「⋯はい?」

卯月「えっ⋯?」

凛「⋯⋯」

3人が驚くのも無理はなかった。
ちひろさんからのメッセージにはただ1行のみ。

「Pさんが、亡くなりました」


4 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)20:53:36 :0rb(主)

このメッセージを受け取った次の日。
事務所は慌ただしかった。
仕事がある子も、仕事がない子も、学校がある子も、お構い無しに事務所に訪れていた。
総勢183人もいるこの事務所は、全員が入れるように改築しているので問題はなかったが、いざ全員が集まるとなるとその光景は圧迫されるような、そんな感じだった。

TVでは、昨日の事件について報道されている。

「―刺されたのは Pさん。〇〇歳。社会人の男性です。逮捕された犯人によると「人を殺したかった。相手は誰でも良かった」と述べています」


5 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)20:53:52 :0rb(主)

清良「誰でも良かったなんて、本当に酷いですね」

あい「あぁ。本当だよ⋯なぜ相手がPじゃないといけなかったのか⋯」

礼子「Pくんにイイコト⋯まだしていないのに。本当に許せない…ッ」

レナ「本当よ。ポーカーでいう、相手がイカサマをしてロイヤルストレートフラッシュを出してきて負けた時の気分。それに似てるわ」

大人組は冷静に、それでいて怒りをふつふつと沸き上がらせながら報道を聴いている。

後ろでは「死ぬ」ことを理解している子が涙を流し、「死ぬ」ことを理解していない子が周りをキョロキョロしていた。
泣いている子には必死にきらりと美優さんが慰めていた。


6 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)20:54:12 :0rb(主)

仁奈「P⋯死んじゃったでごぜーますか⋯?」ウワーン

小春「やだよぉ⋯戻ってきてよぉPさん⋯」グスッ

晴「なんでだよ⋯っ!一緒にサッカーしてくれるって約束したじゃないかよ⋯」ジッ⋯

梨沙「晴!しっかりしなさい!泣いちゃ…駄目なんだからね…」グスッ

雪美「ペロ…Pさん⋯どこ…行ったの…?」

きらり「みんな、大丈夫だにぃ…Pちゃんは遠いところでみんなことをちゃんと見守ってるにぃ…」

美優「そうですよ。ねっ、だからまずは深呼吸しましょう?」

親しい人の「死」を突きつけられることは、まだ幼き子にとってはあまりにも残酷だった。


7 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)20:54:23 :0rb(主)

そんな光景を中学生組と高校生組はただただ眺めるしかなかった。
小学生組よりも年上の中学生組は、「お姉さんとしてしっかりしなきゃ」という意思がそれぞれ強く、ぽろりとは流さずとも、目に涙を浮かべている。
それは高校生も同じだった。大人に近づいている彼女らは、涙を浮かべることはなかったが、唇をわなわなと震えさせていた。

Pの死。
それはあまりにも突然で、みんなが冷静になれる時間はなかった。中には怒りに震える者、号泣する者、よく分からず佇む者。そして

―絶望に打ちひしがれる者


9 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:09:51 :0rb(主)

まゆ「Pさぁん⋯まゆももうすぐそっちに行きますからねぇ⋯」

響子「Pさんに美味しいオムライス⋯うふふ。作りに行ってあげますからね⋯」

智絵里「私が死んで会いに行けば、もう永久に見捨てられることはないですよね⋯」

特にこの3人は酷かった。Pへの愛情がほかの人とは違って最高に近かったまゆ、響子、智絵里の目は悲しみのそれがなく、「死ねばPに会える」という意思が溢れ出ている。

―止めなきゃ。私がしっかりしなくてどうするんだ⋯!

ちひろは3人を見て、周りのアイドルを見て、即座にそう思うと、まずはまゆ、響子、智絵里の元へと向かう。


10 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:14:59 :0rb(主)

「落ち着いてください!Pさんが死んでショックなのは分かります⋯。でもみんなはPさんのお陰でここまで来れたでしょう?だったら彼のためにもここは立ち直らなくちゃいけません!きっと⋯Pさんなら⋯」

ちひろも涙をこらえ、3人に必死の思いでそれを伝える。そして各アイドル達にも同じことを伝えて回った。

それを聞いて泣くことを我慢していた少女達は、吹っ切れたかのように涙を流した。きっとその言葉を聞いて。「Pさんにここまで育てられた」ことを思い出して、今までの思い出が蘇ってきたのだろう。
事務所に聞こえてくる何人もの人の泣き声を聞いてちひろは「Pさんはこんなにも愛されてたんですね⋯」と小さい声で呟いた。


11 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:18:19 :0rb(主)

183人目のアイドルが生まれてしばらくしたある日、ちひろさんはPにこう訪ねた。
「183人ものアイドルを育てるのって、大変じゃないですか?」

するとPさんは笑顔でこう答える。

「忙しくないといえば嘘になります」


12 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:24:55 :0rb(主)

「でも、彼女らはアイドルになるべくして生まれた。そんな素質を持っています。だったら私はその素質をさらに引き出さなければならない。言わば「トップアイドルになるため」のお手伝いをしているのです」


13 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:25:30 :0rb(主)

「それに、きっと大変なのは「プレッシャー」を背負っている彼女らです。だから私が弱気になるわけにはいかないのですよ」

そう言ってPさんは楽しそうに机上の書類を整理し始めた。その瞳は「嫌」という感情が全くなく、むしろ「毎日が楽しい」。そんな目をしていた。


14 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:28:07 :0rb(主)

そしてPさんはユニットを考えるのが好きでもあった。

事務所が立ち上がってまだ日が浅い時、Pさんは卯月を養成所からスカウトし、次に凛をスカウトで、未央にオーディションで合格を告げ、事務所に引き連れてきた。そして3人が初めて揃ったある日、Pは少し緊張している彼女らにこう告げる。


15 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:31:53 :0rb(主)

P「君たちは今から、ニュージェネレーションズというユニットを組んでもらう」

卯月「ニュージェネレーションズ⋯ですか?」

凛「ふーん。ユニットか。悪くないね」

未央「はいはーい!質問!どうしてニュージェネレーションズなの?」

P「おっ、未央。いい質問だぞ。ニュージェネレーションは「新世代」という意味がある。君たちはきっと、アイドル界に新しい旋風を巻き起こす存在になる」

卯月「新しい旋風だなんて⋯私たちなんかが巻き起こせるんでしょうか?」


16 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:34:07 :0rb(主)

P「ははっ。卯月。そこまで謙虚になる必要は無いぞ。だって君たちはこの俺が選んだアイドルの卵なんだからな。そこは自信もっていいと思うぞ」

凛「なんか少し恥ずかしいけど、そこまで言われたら頑張るしかないかな」

未央「そうだよ!ニュージェネレーションズかぁ⋯。よーし、頑張るよ!しまむー!しぶりん!」

そう言って3人は「おー!」と拳を高く上げる。


17 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:36:24 :0rb(主)

それからしてニュージェネレーションズはTVに出演するようになり、
Pの言う通り、アイドル界に新しい旋風を巻き起こすようになる。
それからして、3人しかいなかった事務所にアイドルが増え、
その度にPはユニットを発表していった。【ラブライカ】【アスタリスク】などのデュオユニットから、
【クローネ】や【L.M.B.G】と言った多人数ユニットまで幅広く手掛けていた。
しかも1度も失敗したユニットはなく全てのユニットが結果を挙げていた。
そして業界ではPに対してこう囁かれるようになる。

「彼は本当の⋯
“天才”だ」と―。


18 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:38:02 :0rb(主)

美嘉「ねぇねぇPさん?ユニットのメンバーを選ぶ時って何か基準とかあるの?」

LiPPSの単独ライブが終わった後の打ち上げの場で、美嘉がいきなり質問をしてくる。

P「どうした?藪から棒に。もしかして今のメンバーに不満でもあるのか?」

奏「へぇー。美嘉がそんなこと思ってたなんてね⋯」

美嘉「ちっ、違うってば!少し気になっただけ★」

P「分かってるよ。そうだなぁ⋯基準はないんだなそれが」

フレデリカ「アタシ、なんか基準でもあるのかと思っちゃったよー♪」

志希「にゃーはっはー♪もしかしてチョッカンで選んでるのかな~?」クンクン

P「おっ、よく分かったな志希。ってそんな近くで匂いを嗅ぐのはやめろ!」

美嘉「ちょっ、志希!離れなさいよ!」

志希「あれ?美嘉チャンも匂い嗅ぎたいの~?にゃははっ、思う存分どーぞ♪」

美嘉「そ、そりゃ嗅ぎたいけどさ⋯って違う!違うから!」

周子「やれやれ⋯それでPさん。直感ってどういうこと?」

P「んー。特にといったことはないんだがな⋯。強いて言うなら、ティン!ときた子とティン!ときた子を組み合わせてるだけなんだ。個性とかも重視はしてるけど、ほとんどは直感で選んでる。そんな感じかな」

奏「あら、Pさんって凄かったのね」フフフ

周子「うん。確かにすごいと思う。見直したよ」

P「こらー。今までどう思ってたんだー!」ギャーギャー

―それがPのユニットを成功させる秘訣だった。


19 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:39:32 :0rb(主)

【PCS】

卯月「Pさんが居なくなって私たち⋯どうしたらいいんでしょうか⋯」グスッ

美穂「卯月ちゃん⋯。落ち込まないで。響子ちゃんも。今は私たちが出来ることがあるはずだよ。
まずはそれを考えていこ?」

響子「美穂ちゃん⋯。うんっ!私たちができること⋯何かあるはずだよねっ!」

卯月「そうですね!悲しんでる暇なんかないですよね!」

―――Pとの出会いは彼女たちの人生をピンク色に染め


20 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:40:46 :0rb(主)

【TP】

奈緒「くそぅ⋯Pが死んだなんて未だに信じらんねえよ⋯。なんでだよ⋯」ヒクッ

加蓮「ほんと。「病気とかには気をつけろよ!何があったら駆け込んでやるからな!」って毎日心配してくれたのに⋯こんな早く逝ってどーすんのよ⋯」グスッ

凛「でも、このまま泣いたって何も変わらないでしょ⋯まずは動こうよ。
ほら、元気だしなよ」ワナワナ

奈緒「凛⋯。だよな。泣いたって何も変わらないもんな。もっと強くならなきゃ。Pに笑われるよな」

―――Pとの出会いは彼女たちの鼓動を打つ。


21 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:42:23 :0rb(主)

【ポジティブパッション】

茜「Pがもういない事が未だに信じられません!ショックです!どうしたらいいんでしょう!!うううううう!!とにかく走ってきます!!」ウワーン

未央「あかねちん!!待って!!まずは落ち着いてよ!!」

藍子「こんな事になるなら⋯もっとPさんの写真⋯撮っておけば良かったなぁ⋯」エグッ

未央「あーちゃん⋯。もうどうしたらいいのよこれ⋯」

―――Pとの出会いは彼女たちの情熱を奮い立たせ


22 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:43:32 :0rb(主)

【ラブライカ】

美波「Pさん⋯どうしてこんなことになったんですか⋯」ウワーン

アナスタシア「アー、ミナミ⋯元気出して、ください。ミナミ、1人じゃありません。ニチェット⋯私がついています」

美波「アーニャちゃん⋯グスッ。ありがとうね⋯」ダキツキ

―――彼女たちに神秘的なオーラを纏わせた。


23 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:44:38 :0rb(主)

【GIRLS BE NEXT STEP】

千鶴「私を可愛くしてくれるって約束してくれたのに⋯P。貴方はどうして⋯」グスッ

ほたる「やっぱり私のせいなんでしょうか⋯?私のせいですよね。私がここに移籍なんてしたから⋯!」

泰葉「ほたるちゃん!それは絶対ないよ。誰かのせいなんかじゃないの。悪いのはあの男の人よ⋯」

裕美「自身のなかった私を変えてくれたPさんに恩返しがしたかったなぁ⋯」ジッ

―――Pとの出会いは勇気を出せなかった彼女たちの背中を押し


24 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:46:02 :0rb(主)

【ロマンティックツアーズ】

芽衣子「Pさんは私に知らない世界を教えてくれた。いつか、今、Pさんがいる世界の事も教えてくれるのかな…」

恵「芽衣子さん。Pさんはもう亡くなったのよ。もう会えないの…」

芽衣子「うん⋯だよね。分かってるつもりなんだけどな。でも⋯何故か分からないけどすぐに会えそうな気がしちゃうんだ」

夏美「私がこうしているのも全部Pさんのおかげ。いえ、Pさんのせい。だから責任とって欲しかったのに。これじゃあ…」

椿「でも、どこかでPさんが見守ってくれている。私はそんな気がするんです」

―――彼女たちに新しい世界を見せてくれた。


25 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:47:02 :0rb(主)

【炎陣】

里奈「Pが死んじゃったの、アタシ的に大ショックぽよ~…ていうかマジ落ち込むんだけど…」グスッ

夏樹「おい里奈…大丈夫か?辛かったらもっと泣いていいんだぜ」

里奈「なつきち…ありがとう。でも大丈夫!」

拓海「くそ…Pは簡単に朽ちるようなヤマじゃねぇだろ…ッ」

涼「落ち着きな拓海。Pサンだって1人の人間なんだ。悔しいけどこればっかりは仕方ないんだよ」

亜季「そうであります。P殿だって1人の人間。死んでしまうことだってあります。でも前を向きましょう!ほら!P殿に笑われますよ!ですから…皆で、空にいるP殿に…敬礼をッ!」ビシッ

拓海「ふっ、しょうがねぇな。…最後にPに感謝しないと示しがつかねぇしな」ビシッ

―――Pとの出会いは彼女たちの心を炎のように滾らせ


26 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:48:22 :0rb(主)

【あんきら】

きらり「Pちゃん⋯もう会えなくなるなんて嫌だにぃ⋯」

杏「うん。きらりの気持ち分かるよ。もう杏の我儘を聞いてくれないんだって思うと寂しいもんだね」

きらり「杏ちゃん⋯泣きたい時は思いっきり泣いていいんだよ?きらりが思いっきり抱きしめてあげるゆ!」

杏「あはは⋯じゃあお言葉に甘えようかな⋯」

―――彼女たちに、自分の短所を受け入れる強さを与えた。


27 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:49:19 :0rb(主)

【ヤングユニット】

麻理菜「Pくん⋯。退屈なお姉さんのことをあんなに口説いてたのに。Pくんがいなくなったらまた退屈な毎日に戻っちゃうじゃない⋯」

瑞樹「まだまだ私はやれるってところをP君に見せたかったのに」

レナ「この行き場のない悲しみは誰にぶつければいいの?教えてよPさん⋯」

―――Pとの出会いで、彼女達はいつまでも若々しく、


28 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:51:25 :0rb(主)

【ヒートアップ☆チアーズ】

智花「Pさんが亡くなって、みんなも元気なくて⋯。私が精一杯みんなを励まさなきゃいけないのに⋯。体が動かないよ⋯」

いつき「智香ちゃん‥‥。辛い時は泣いていいんだよ?」

洋子「2人とも我慢なんてしないで。Pが居なくなって悲しいのは当然だから‥‥」

―――彼女たちは、応援の力が偉大なことを知った。


29 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:52:23 :0rb(主)

【Mellow yellow】

ゆかり「‥‥‥‥」

法子「ゆ、ゆかりちゃん‥‥。大丈夫‥‥?」

有香「ゆかりちゃん!戻ってきて!お願いだから!」

法子「有香ちゃん‥‥どうしよう‥‥」グスッ

有香「法子ちゃん!大丈夫。大丈夫だからね‥‥っ!」

―――Pとの出会いで、彼女たちは“優しさ”を知り


30 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:53:27 :0rb(主)

【フリルドスクエア】

柚「Pチャンやだよー!戻ってきてよ‥‥」

穂乃香「柚ちゃん‥‥」ギュッ

あずき「…やるぞー!柚ちゃん励まし大作戦!‥‥ってそんな気分じゃないよ‥‥。Pさんなんで死んじゃったの‥‥」

忍「柚ちゃんあずきちゃん‥‥私だって悲しくてたまらないよ‥‥。Pさん…」

―――彼女たちの生活に奇跡をもたらしてくれた。


31 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:54:58 :0rb(主)

【カワイイボクと142’s】

小梅「Pさんは…どこにも…いないのね…わかった…」

幸子「ひぃっ!だっ、誰と喋ってるんですか小梅さん!」

輝子「フフフ…ハーッハッハッハ!私もぉぉぉ!ゴートゥーヘルするぜぇぇぇぇっ!」

幸子「フギャー!輝子さん落ち着いてください!もーっ!どうすればいいんですかーっ!」

―――Pとの出会いで、彼女たちは“個性”を持つことは素晴らしいことだと知り


32 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:56:01 :0rb(主)

【ハートウォーマー】

朋「もしかしてラッキーアイテムを身につけなかったからかな…ううん!ちゃんと身につけたはずなのに!もしかしてどこかで間違えた…?」

雪菜「朋ちゃん、そんなことないですよぉ…うぅ~会いたいですPさん~…」グスッ

海 「今まで弟たちの世話を焼いてきて、今はPさんに面倒見てもらって…こういうのも悪くないって思えたよ。なのに…こんなのはあんまりじゃないか…」

―――彼女たちは、心を温かくさせることの大切さを知った。


33 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:57:04 :0rb(主)

【ビューティーアリュール】

愛結奈「好きにさせてくれたらトップまで駆け上がってみせる!って言ったけど、やっぱりPがいないと駄目みたい…」

久美子「私達がここにいられるのも全部、Pのおかげ。今は悲しんでる暇なんてないわ。もっと上を目指すことが何よりPのためだと思う」

千奈美「そうよ。こんなところで立ち止まってなんかいられないわ。私達はもっと美しくなれる。うぅん。美しくならなきゃいけない!」

―――Pとの出会いで、彼女たちはより美しくなり


34 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:58:00 :0rb(主)

【violet violence】

時子「ちっ…あの豚ァ…あっけなく死んでんじゃないわよ」

つかさ「まぁ、あんな早く逝かれちまうと、なんかやるせないよな…いくらなんでも早すぎるっての…」

のあ「そうね…でもきっとPは…きっとどこかで見守ってくれてる…私には分かるの…」

つかさ「…あぁ。こんな情けねぇ姿見せられないな」

―――彼女たちの心もまた強くなっていく。


35 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)21:59:04 :0rb(主)

【コズミック・シンフォニー】

聖「Pさんは…どこに行っちゃったの…?探しても…見つからないよ…」

音葉「Pさんはね…うーんと遠いところに行ったのよ。素敵な音を探しに」

柑菜「そ、そうですね!素敵なラブ&ピースを探しに行ったんです!」

クラリス「P様のために…みんなで素敵な歌でも歌いましょうか。曲はそうですね…あれにしましょう」

―――Pとの出会いで、彼女は人を幸せにする歌の力を知り、


36 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:00:43 :0rb(主)

【heartful bloom】

菜々「さっき響子ちゃん見かけたんですけどっ!なんかブツブツ独り言呟いてました!
あぁぁ、ど、どうしましょう~…!」

智絵里「ウサギはね…寂しくなると死んじゃうの…私…今すっごく寂しいんだよ…」

歌鈴「智絵里ちゃんも落ち着いてくだしゃい!ひゃぁ!また噛んじゃった…」

美玲「み、みんな落ち着くんだッ!うぅ…プロデューサー…戻ってきてくれッ…!」

―――彼女たちは美しく咲く花の如く人々を癒やす。


37 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:02:12 :0rb(主)

【ニューウェーブス】

さくら「ふえぇ…プロデューサーさん嫌だよぉ…せっかくイズミンとアコちゃんと一緒にアイドルになれたのにぃ…」

亜子「さくら…泣いちゃダメだよ。Pちゃんだってさくらに笑ってほしいって思ってるよ!」

泉「そうだね。Pのためにも、私達ができることを精一杯やっていかないとね」

―――Pとの出会いで、彼女たちはアイドル界に新しい風を運び、
大きな革命を起こそうとしていた。


38 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:03:08 :0rb(主)

【クール三銃士】

美優「人付き合いが苦手だった私を…変えてくれた。でももう意味がないのかな…」

留美「意味がないことなんてないわ。でもP君がいないとそう思うのも無理ないわね…」

瞳子「上手く行かなかった私に期待してくれたから…ここまで頑張ってこれたの。でもこれから頑張れるかって言われると不安しかないわね…」

―――しかし、彼女たちの自信は、希望は、Pの死をきっかけに失われようとしていた。

それでも、彼女たちにとって、Pは尊敬する人物であり、かけがえのない存在であり、そして自分を変えてくれた”恩人”でもあった―。


39 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:04:36 :0rb(主)

少し慌ただしかった事務所は、時間が経つにつれ静寂を取り戻し、
隅のソファーで一人の少女が考え事をしている。

芳乃「うーん…でしてー」

珠美「おや、芳乃殿。どうかしたのですか?必死に考え事をしているようですが…?」

芳乃「おやー?そこにいるのは珠美さんに、あやめさんー。いえ、そこまでではないのですがー。そういえばー。晶葉さんをお見かけしませんでしたかー?」

あやめ「晶葉殿ですか?たしか研究室に籠もっていたような気がします!呼んできましょうか?!」

芳乃「いえいえー。場所が分かれば十分かとー。しかしお二人はそこまで悲しんでいないのですねー?」

珠美「はいっ!P殿と約束したんです!立派なアイドルになると!
そのためには悲しみを乗り越えて前に進まなきゃいけないんです!」

あやめ「うんうん!いろんな事があるのがアイドルだしね!
だからもっと練習して皆に…いや、世界中に知られる忍びアイドルになります!では芳乃殿!いざさらば!」

そういって2人は去っていく。

芳乃(はてー…二人の目が腫れていたのは気の所為だったのでしょうかー…)


40 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:05:49 :0rb(主)

志希(う~ん…人を生き返らせる技術なんてあるわけないよねー…)

志希(とりあえず、不可思議な力を持つアノ娘に聞いてみようかにゃ~…)テクテク

飛鳥「おや…必死な顔をして歩いているのは志希さんじゃないか…」

志希「にゃはっ、そこにいるのは飛鳥ちゃんじゃ~ん♪ ねねっ、芳乃ちゃん見なかったー?」

飛鳥「芳乃さんかい…?確か晶葉さんのラボに向かっていくのを見た気がするよ」

志希「おぉ~♪ありがとー!んじゃ私もビューって行ってくるね~♪」

飛鳥(ふっ、あの様子じゃどうやら落ち込んではいないようだね…ボクも見習わなきゃいけないな…)


41 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:06:56 :0rb(主)

晶葉「んー…志希は居なかったか…どこ行ったものか…」

志希「あっ晶葉ちゃんみ~っけ♪」

晶葉「おぉ。私の方こそ探していたのだが…って隣にいるのは…」

芳乃「どうもでしてー」

晶葉「二人揃って私のラボに来るとは…なにやら大事な話になりそうだな…」

芳乃「はいー。本当は禁じられている術なのですがー。もしかしたらPさんをこの世に呼び戻すことができるやもしれませぬー」


42 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:08:00 :0rb(主)

晶葉「それは本当か…?我が頭脳をフル稼働させても何も思いつかなかったのに…」

志希「私も~♪クローンなら作れると思うんだけど、記憶までは戻せないから生き返ったとは言えないんだよね~」

芳乃「この禁じられた術は、科学では証明できないものでしてー。特別な事をしない限り成功はしませぬー」

芳乃「まず、これは此処に所属しているアイドル183人全員の協力が不可欠でありますー。
そして、普通では考えられないような力を持っているーアイドルの力が最も大事になってきますー」

芳乃「では、そのアイドルは誰か当ててみてくださいー」

晶葉「ふむ…私が思いつくのは芳乃と…茄子といったところだろうか…」

志希「あとほたるちゃんもかな!あとは…微妙だけどこずえちゃんもかな~?」

芳乃「お見事ですー。4人は正解ですが、実はもう一人いますー。…では4人も連れてその人の元へ向かいましょうかー」


43 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:09:21 :0rb(主)

裕子「えぇぇ!わ、私のサイキックの力にそんなすごい秘密があったなんて!」

芳乃「雫さんやー早苗さんの投稿を見るにー裕子さんがさいきっくを使うと何やら不思議な事が起こるとかー」

雫「そうなんですー!牛乳に触っても居ないのに勝手に動いたりとかー♪」

早苗「うんうん!でも私達は前も言ったと思うけど迷惑だなんて思ってないわよ!」

茄子「良かったですね裕子さん♪だからこうして私達が集められたんですね!」

ほたる「で、でも良いのかな…私の不幸体質が迷惑かけなければいいけど…」

芳乃「その点については心配無用ですー。晶葉さんに協力してもらいますのでー」

晶葉「はて…私は一体何をすればいいんだ?」

芳乃「まず、晶葉さんには裕子さんー茄子さんーほたるさんーこずえさんー
そして私の不可思議な力をエネルギーに変える機械を作って欲しいのですー」

芳乃「そして志希さんはーアイドル183人のーPさんを想う気持ちをー薬を使って増幅させてほしいのですー」

芳乃「みなさんを一度全員集めた時にー方法について詳しく説明しますー。
お二人とも難しいと思うのですがー出来そうですかー?」

晶葉「ふふふ…私を誰だと思っている…助手のためなら全力を出そう」

こずえ「おー…がんばってー…がんばれー…」

アヤ「こずえ、すごいじゃないか!前からすごいとは思っていたけど、責任重大だな!」

志希「にゃははー♪頑張っちゃうよ~!でも開発するにしてもお金が必要なんだけど…強盗でもしちゃう~?」

早苗「こ、こら!元婦警としてその単語は聞き逃がせないわよ!」

雫「私もお金出せれば良かったんですがー…ごめんなさいー…」

晶葉「いいや、仕方ないさ。ふむ…ならあの人達に頼んでみるか…」


44 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:11:12 :0rb(主)

(少し前の事務所)

ちひろ「はぁ…どうしようかしら…」

蘭子「其処に佇むは緑の女帝!煩わしい太陽ね!」(そこにいるのはちひろさん!おはようございます!)

かな子「おはようございますー!あれ、ちひろさん大丈夫ですかっ?」

ちひろ「蘭子ちゃんにかな子ちゃん。おはようございます。少し疲れちゃってるだけだから大丈夫よ。2人はこれからレッスン?無理しなくてもいいのよ?」

蘭子「我が友と誓いを立てた今こそ、我らが覇道、天に至るとき!此処で翼を折るわけにはいかぬ!」
(Pさんと約束したんです。トップアイドルになるって。だから此処で諦めるわけには行きません!)

かな子「うんっ!蘭子ちゃんが何言ってるかよくわからなかったけど、考えてることは多分私と同じだと思います」

ちひろ「そう…アイドルがこんなこと言っているのに、私ったら…レッスン頑張ってね。でもさっきも言ったけど無理はしちゃ駄目よ?」

蘭子「…我が魂の赴くままに!」(…がんばります!)タタッ

かな子「あっ、蘭子ちゃん待ってー!」タタタッ

ちひろ「Pさんが生き返ってくれたら…ってそんな事考えちゃ駄目!仕事仕事…」


45 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:12:41 :0rb(主)

琴歌「あら、そんなことなら全面協力しますわ♪」

桃華「私もですわ!お父様に今すぐ頼んでみますわね!」

星花「お二人には及びませんけど、私も微力ながら力になりますわ…♪」

裕子「す…すごい行動力…!!」

志希「にゃはは♪もう国を動かせるレベルの出資でもしてくれそうな勢いだねー♪」

琴歌「今、お父様に確認しましたわ♪ 「Pさんのためなら喜んでお金を出そう!」
とおっしゃってくださいましたの!」

ほたる「い、いくらなんでも早すぎますぅ…」

桃華&星花「私のお父様も承諾してくれましたわ!」

晶葉「よくやってくれた!あとはちひろさんに頼んでアイドル全員集めるか…」

―ちなみに3人が出資してくれた合計金額は本当に国を動かせるレベルだったことは誰も知る由もなかった…


46 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:13:58 :0rb(主)

ちひろ「芳乃ちゃんや晶葉ちゃん、志希ちゃんに頼まれて一部を除いた
アイドル全員集めたけど本当にすごい光景ですね…!」

広い事務所がアイドルで埋め尽くされるこの光景はいつ見ても慣れない。
この光景をPさんが見たらなんて言うだろうか

芳乃「ちひろさんー。ここまで集めてくださりありがとうございますー」

葵「こんなにアイドルを集めるってことは、なにか大事な話でもするっちゃ?」

志乃「あら…もしかして事務所が潰れるとかそういうことかしら…?」

真奈美「いや…そんな事をちひろさんが説明する事はありえないし、
本来なら説明する立場の部長だって居ない。だとすると別件のことじゃないか?」

雪乃「あら、本当ですわね…でもPさん絡みなことには間違いなさそうですわ…」

鈴帆「もしかして新しいPしゃんが来るんじゃなかと?」

薫「えーっ!?せんせーはもう来ないのー?!」

頼子「新しいPさんに馴染めるか不安ですね…」


47 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:15:14 :0rb(主)

集まったアイドルの中には、不安そうな表情をしている子もいた。
「アイドルを辞めさせられるのではないか?」
「会社が倒産するのではないか?」
「新しいPを紹介するのではないか」
アイドルは、集められた理由をそれぞれ考えていた。

この時点で自らアイドルを辞める人は出ると考えていたちひろさんだったが、
一人も居なかったことに拍子抜けしていた。
「トップアイドルになる」
Pさんと約束したこの夢を、アイドルは全員胸の中に刻み続けていた。
Pさんが死しても尚、灯りをともし続けて。

芳乃「みなさんー、集まっていただきありがとうございますー。今から話すことは冗談ではない故ー、しっかり聞いていただければとー」

芳乃「世の中にはー予想を遥かに超えたー不思議な事が起こりますー。その不思議な事はーPさんにも関係がありますー。もしかしたら、Pさんを生き返らせることができるかもしれないのですー」


48 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:16:17 :0rb(主)

「Pさんが生き返るかもしれない」
この言葉を聞いたアイドルはざわざわと騒ぎ始める。

優「い、今の話、本当なの?!」

由里子「Pさんが生き返るかもしれないって…漫画の世界だじぇ…」

比奈「普通だったらこんなの有り得ないッスよ…でも…なんか本当に生き返るような…そんな気がしてくるッス…」

コクラン「すごーい!ダーリンにもう一度会えるのネ!」ピョンピョン

一般人が聞けば「何言ってんだ。そんなのあり得ない」
そんな話も、アイドルは信じていた。
茄子、芳乃、ほたる、こずえ、裕子。この人達が起こした現象を目の当たりにしているから。
しかし、ただ単純に生き返るだけ。そんな甘い話ではないと気づいているアイドルも居る。

千秋「でも、単純に生き返るだけ…そんな話でもなさそうね」

文香「はい…なにか代わりになる条件があるような気がします…」

巴「ふむ…何か不安な予感がするのぉ…気のせいだったら良いんじゃがな…」

しかし、不安な予感は的中した。
この後に言う芳乃のセリフが…アイドルを絶望へと突き落とす。

芳乃「その代わりー、皆さんはこの世から…消えてしまいますー」


49 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:17:18 :0rb(主)

―――

唯「ねぇねぇちなったーん。大丈夫―?」

千夏「えぇ…大丈夫よ。唯ちゃんはもう覚悟決めてるの?」

唯「…うん!よしのんの言う通りにしたらPちゃん生き返るんでしょ?だったらゆい、その通りにするよ!」

千夏「唯ちゃん…強くなったのね…」

千夏(まさか…あんなことになるとはね…)

(2時間前)

「この世から消える」このセリフを聞いたアイドルは次第に騒ぎ始める。
無理もない。想定していなかったからだ。

マキノ「今の言葉…聞き捨てならないわね…流石に想定外よ…」

七海「え~っ?七海達が消えるってどういうことれすかー?」

恵磨「ちょちょ!アタシ死んじゃうってこと!?」


50 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:18:18 :0rb(主)

晶葉「前に聞いたのを簡潔にすると、死んでしまうというのはちょっと違うがな。
死んでも残された方はずっとその人のことを覚えてるだろ?
だが今回は、残された方の記憶が抹消されてしまう。
つまり、”この世に存在していなかったことになる”というのが正しい」

志希「だから残された方は悲しむこともないし、苦しむこともないんだよね~」

芳乃「その通りでしてー。しかし注意が一つありますー。
この術は”生き返る対象に対する想い”が必要不可欠でしてー。
一人でも欠けたら失敗するやもしれませぬー。
183人全員が協力すればPさんは確実にこの世に戻ってくるでしょうー」

櫂「そんな…ちひろさんはこの事知ってたの?」

ちひろ「はい。私は今でも反対です。でも…主役は皆さんです。
みなさんが覚悟を決めるのであれば私は…止めません」

笑美「くっ…こんな事簡単に決めれるわけないやんかぁ…」

志保「それで…考える時間、期限は設けてるんですか…?」

志希「どうやら月日が経てば経つほど成功率が下がっちゃうっぽいんだよね~。
だから1ヶ月後の15時。この日をタイムリミットにしようと思ってるかな」

清美「芳乃さんと晶葉さん、志希さんは賛成なんですか?」

晶葉「あぁ。私は賛成だ。助手は私が唯一認めた人だからな…
助手はアイドル界を変えていく人。そんな人を失うのは惜しいからな」

志希「う~ん。私はPがいたからアイドルを続けてたしー。
居ないならもういっかなーって!」

芳乃「とりあえずー、難しい二択ですしー強制はしませんー。覚悟を決めたらー1ヶ月後の14時30分に此処に集まってくださいー」

―――


51 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:19:02 :0rb(主)

Pさんはアイドルのことをいつも考えていて、いつも案じていた。

誰かが調子悪くなったときは真っ先に駆けつけるし、風邪を引いたときなんかは誰よりも先に見舞いに行く。誰かが仕事に遅れそうになったときは責めたりせずに仕事先に必死に謝りに行く。誰かが辞めたいと言ったときは「無理するなよ。自分の人生だからな」と優しく励ます。

誰もがそんなPさんが大好きだった。仕事先の人にも、アイドルにも、そして私も。


52 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:19:54 :0rb(主)

莉嘉「あー!どうすればいいかわかんないよー!」

みりあ「みりあもわかんないよー!だってだってみりあ達、居なくなっちゃうってことなんでしょ!?」

夕美「そうよね…私は賛成するつもりだけど…みりあちゃんと莉嘉ちゃんにはまだ早いよね…」


53 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:20:52 :0rb(主)

ライラ「みなさんはどうしますですかー?」

ケイト「Uh…難しいデス…でもPのおかげで日本がもっと大好きにナリマシタ。だからワタシ、覚悟、決めてマス。ニホンでは感謝の心、大事デショ?」

菲菲「ふぇいふぇいも同じダヨー!Pさんが居ないのにアイドル、続けても意味ナイネ?」

ナターリア「ダヨネ!テレビで見た可愛いアイドルになれたカラ、もう満足ダヨー!」

グラハム「Oh!みんな賛成ってことー!?」

グラハム(な、なんか場違いな気がするけど…気にしても仕方ないかっ!」


54 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:21:55 :0rb(主)

愛海「はぁ~~~…お山に登ることも出来ないのかぁ~~~…」

菜帆「もう愛海ちゃん…まだそんな事考えてばっかり~!」

美羽「でも愛海ちゃんいつも通りでよかったよ~。だってPさんのこと好きだったもんね?」

愛海「ス、スススすき?!ちちちち違うよ!!…まぁ少し感謝はしてるけど…菜帆さんのお山でも登れば元気は出るかな~」ワキワキ

菜帆「そんなことばっかり言ってると清良さんがどこかから現れちゃいますよ?

清良「愛海ちゃ~ん…?」

愛海「じ、冗談です~~!」タタタッ


55 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:22:33 :0rb(主)

光「ヒーローは…遅れて参上するんだ!待っててP!」

麗奈「はぁ~?光、あんたまさか参加するつもり?」

光「うん!麗奈も参加するだろ?なんかワクワクするじゃん!」

麗奈「あのねぇ…そんな簡単なことじゃないのよ?よく考えたら?」


56 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:23:13 :0rb(主)

都「早那さん!加奈さん!共に参加しましょう!何かあるかもしれませんよ!」

早那「え~~。そんな軽いノリで参加することじゃないとおもうけどぉ…怖くないのぉ?」

加奈「私はちょっと怖いかな…残された人の記憶には残らないって言ってましたけど…」

都「探偵心が何故か疼くんです!危険な穴には飛び込まないと!」


57 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:24:08 :0rb(主)

舞「亜里沙先生はどうするんですか?やっぱり参加するんですか?」

亜里沙「うん。私は参加しようと思ってるよ!ウサコちゃんと一緒なら怖いものなし!」

日菜子「むふふ…王子様がきっと私を連れてってくれる…むふふ…」

亜里沙「あらあら…日菜子ちゃんは重症…っぽいね…」

舞「病院に連れて行ったほうが良いでしょうか…?」


58 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:24:58 :0rb(主)

真尋「むつみちゃん、これもある意味冒険じゃない?!」

むつみ「え~!危険すぎる冒険ですね…みなさん一緒に行きませんか?」

美由紀「…うん!行こう行こう!二人と一緒なら怖くないよ!」

むつみ「だったら覚悟を決めて、念入りに準備をしないといけませんね!」


59 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:25:40 :0rb(主)

ヘレン「ヘーイ!そら!里美!未知なる世界に飛び立つ準備はいいわね?」

そら「うん☆準備はもうばっちしだよー!」

里美「わ、私も覚悟は出来てますぅ~。うぅ~大丈夫大丈夫~…」


60 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:26:31 :0rb(主)

彩華「こんな事ぉ、1ヶ月じゃ足りなくなぁい?もっと時間欲しいんだけどぉ~」

ネネ「そうですよね…私も1ヶ月で答えを出せと言われたらちょっと…」

雅「とりあえずぅ、ちひろさんがあんな事言っていたしぃ、Pの家にでも行ってみない~?」


61 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:27:44 :0rb(主)

―――
ちひろ「解散する前にちょっとだけ待ってください」

ちひろ「Pさんの家の予備の鍵をここに置いておきます。最後の置き土産とまでは行かないけど…
なにか残したいものがあるなら、残してあげてください」

そういってちひろさんは机の上に銀色に輝く鍵を2個置く。
それをみたアイドルの瞳には哀愁やら嬉しさやらが漂っていた。そんな気がした。
―――


62 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:28:20 :0rb(主)

【Pさんの家】

みく「ここがPチャンの家だにゃ!お邪魔するにゃ…」キーッ…

李衣菜「へぇ~。中はシンプルなんだね。ある意味ロックかも」

みく「Pチャンの部屋がごちゃごちゃだったらちょっとショックにゃ…とりあえずこれ置いとくにゃ」

李衣菜「…うん。私達のトレードマークのヘッドフォンと猫耳。Pさん…アスタリスクを結成させてくれてありがとう」

みく「Pチャンならきっと、私達を超えるアイドルをスカウトして…アイドル界をもっと変えていけるにゃ!」グスン


63 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:29:24 :0rb(主)

心「Pの部屋に上がっちゃった☆ ん~何もないね☆」

ありす「でもやっぱりこれがPさんの部屋って感じですね。なんだか落ち着きます」

心「そこは落ち着いちゃだめだろ☆ っとこれ置いとくか…」ポンッ

ありす「これはなんですか…?」

心「はじめてのソロライブの前に縫ったリストレット☆ 
これのおかげでソロライブ成功したんだぞ☆ ほんとに感謝してもしきれないな~Pには。ありすちゃんのは青いリボン?あっ!これっていつも結んでるやつだよね?もういいの?」

ありす「はい。Pさんが可愛いじゃないかって褒めてくれたおかげで自分に自信が持てるようになったので…
でももう意味ないから…だから思い出として置いておきます」


64 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:30:13 :0rb(主)

悠貴「わぁ…ここがPさんの部屋…」

乃々「男の人の部屋に入るの初めてなんですけど…緊張でむーりぃ…」

悠貴「乃々さん!リラックスですよ!よーし、靴を置いてっと!」

乃々「乙倉さんは運動靴ですか…?」

悠貴「うんっ!走るのが好きな私の背中を押してくれた、Pさんがくれた運動靴なんだ!
消えちゃうかもしれないけど、この靴はずっと残っててほしいな…」

乃々「とてもいい話なんですけど…私は恥ずかしいけど…ポエム帳を…
アイドルはずっと嫌だったけど…でもいま好きになれたのはPさんのおかげだから…
残ってたら最後のページ…読んでほしいな…」


65 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:31:07 :0rb(主)

春菜「あまり長居するのも悪いですし、Pさんがくれた眼鏡を置いておきますね。
この眼鏡のおかげでライブも成功したし、本当に感謝してます。
ユメちゃんと千枝ちゃんももう置いた~?」

千枝「は、はい!私はこのウサギのヘアピンを…前一度壊れちゃって…そのときにPさんが新しいのを買ってくれたんです。
私が持つよりもPさんが持ってたほうが嬉しいから…」

由愛「私は…スケッチブックを…今までの思い出を全部描いてみました…
Pさん見ててくれるかなぁ…」

春菜「…そうだね。Pさんなら絶対…見てくれるよっ!」


66 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:32:06 :0rb(主)

愛梨「えへへっ、Pさんの部屋に上がっちゃいましたっ!」

肇「愛梨さん、とても嬉しそうですね」

愛梨「Pさんの部屋は前から入りたいって思ってたからね!」

くるみ「愛梨しゃん、良かったでしゅね…!」

肇「それで、2人は何を持ってきたんですか?」

愛梨「私はケーキ!真心こめて作ったんだぁ!」

くるみ「ケーキでしゅか…私はこの青いりぼんでしゅ…
ぷろでゅーさーしゃんが誕生日に買ってくれたのぉ…」

肇「ふふっ、良かったですね。私はPさんのための陶器を持ってきました。
大事にしてくれるといいですね…♪」


67 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:33:04 :0rb(主)

楓「むっ!部屋からヘアーカラーの匂いっ!なんちゃって♪」

礼「楓さんのダジャレのネタ、よく尽きないわね」

楓「もちろんです。いつでも言えるようにしないと♪」

紗南「楓さんすごいなぁ~、私もさっと言えるようになりたい」

礼「あんなふうにさっと言えるのは変人しか無理じゃないかしら…」

楓「変人なんかじゃありませーん!っと、用を済ませよう♪」

礼「そうね。私はこのなぞなぞを書き留めたノートよ。
私が暇な時によくなぞなぞに付き合ってくれたっけ…
答えを恥じらいながらいうP君は可愛かったわ♪」

紗南「礼さんのなぞなぞってなんか答えにくいもんね!
私は一時期預かったPさんのゲーム機!私も暇な時によく遊んでくれたよ~!」

楓「ふふっ、私も礼さんと同じだけどダジャレ帳かしら。
流石にリアクションがなかったときは心が折れそうになったけど…ねっ」


68 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:34:05 :0rb(主)

雫「わぁ~。Pさんの部屋キレイですねー♪」

紗枝「えぇ、ほんまどすなぁ~」

沙理奈「流石に忙しいPさんでも部屋を掃除する時間はあるのね。安心したわ」

紗枝「Pはんも人間ってことどすなぁ~」

雫「そうですねー。Pさんも人間ですもんねー♪っと…ぬるくなっちゃう前に及川牧場特製の牛乳を冷蔵庫に入れておきますねー」

沙理奈「あら、その牛乳本当に美味しいのよね。後で事務所で一本貰おうかしら」

雫「喜んでー♪事務所にまだまだたくさんあるのでー!」

紗枝「嬉しいわぁ~。私はこの簪を…京都で凱旋ライブさせていただいたご褒美にPはんに買って貰ったんやさかい♪」

沙理奈「良いわね~。私はこれ。流石に中身は女子高生には見せられないから秘密だけどね♪」

沙理奈(いつかこれを着てくれる人に出会えると良いわね…Pさん)


69 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:35:21 :0rb(主)

美世「Pさんの部屋に到着っ!初めて来たけど車で来るには楽しいコースだったねっ!」

聖來「美世の運転はやっぱり落ち着くね!わんこも載せてくれてありがと!」

美世「うん!運転は任せて!」

仁美「すみません!アタシ、寝てしまいました…」

聖來「安心すると寝ちゃうってことだから良いことなんじゃない?ねっ美世」

美世「うんうん!冥利に尽きる…ってね!いけないいけない。工具一式置いていかないと」

聖來「あら?それお父さんから買ってもらった物じゃないの?大丈夫?」

美世「私が持っててももう意味ないからね~。それにPさんも一回だけ車いじってみたいって言ってたしいい機会かなって!」

仁美「いい話ですね!私はPが買ってくれたご当時慶次ストラップ!
なんと全国分揃ってるのです!私が持っているよりもPが持っていたほうが何かと力になれそうな気がするので♪」

聖來「あら、羨ましい♪じゃあ…私は、Pさんとお揃いのリード。戻ってきたら犬飼ってほしいな。見守ってるからね」


70 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:36:38 :0rb(主)

渚「へぇー。結構キレイにしてんじゃんッ!」

伊吹「ほんとほんと!Pいつも忙しいし物を散らかしてるかと思ったよ!」

沙紀「伊吹さんも渚さんもそれはPさんが可哀想っすよ!とりあえずお土産でも置いておきましょうか」

渚「私はねー、コレ!Pに貰ったお下がりのバスケットボール!
アイツ、小さい頃にバスケやってたらしいんだよ。
見て見て!ここに私のサインが小さく書かれてんだ」

沙紀「ほんとだ。やっぱり使い込んでるだけあってボロボロでなんかアート感じるっすね!
私はホントはストリートアートでいつか感謝の気持ちを伝えたかったっすけど、難しいんで初めて紙にありのままの思いを全部ぶつけてみたっす」

伊吹「おぉー…沙紀って意外と紙でもイケるんじゃない?私はスケボー!いつかPも誘って滑りたかったけど…ねっ!」

伊吹(そろそろあの日か…私の覚悟はもう決まってる。でも他の人は…?)

……そして運命のタイムリミットは、アイドル達に無慈悲にも迫ってきた。


71 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:37:50 :0rb(主)

(タイムリミット30分前)

ちひろ(予定通りなら今日がタイムリミットなはず…なのに事務所には全員揃っている。これはもう覚悟を決めたってことかしら…)

友紀「そろそろ時間だねー。でも全員集まるとは思わなかったなー。
一人でも来なかったら失敗していたかもしれないし…これぞ満塁逆転ホームランってやつ?」

詩織「そうですね…本当なら荒波に飲まれたときのような…そんな恐怖が芽生えてもおかしくはないのに…何故か心は平穏な海のように落ち着いています」

翠「『中りても、真の心無き弓は、外れた弓より劣るものなり』。Pさんが私に教えてくれました。
アイドルは真心を込めて歌わないといけない。と。だから私はここまでこれました。次は私がPさんに…恩返しをする番なんです」

芳乃「みなさんー。お集まりいただきー誠にありがとうございますー。
そろそろ時間が迫っております故―、ここからは志希さんにーご説明させてもらいますー」

志希「にゃはは♪まさか全員揃ってると思わなかったけどね~。
まず皆には志希特製のこの薬を飲んでもらうよ~!」


72 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:39:00 :0rb(主)

美里「それ飲んだらぁ、私達どうなっちゃうのぉ~?失敗しても消えちゃう感じぃ~?」

晶葉「いや、それは違う。前にアイドルのPさんを想う力が必要だと説明したな。
この薬はその想いを最大限に増幅してくれる薬だ。強ければ強いほど成功率は100%に限り無く近くなる。いや…確実に成功すると言っても過言ではないな」

若葉「えっ、だったらそれを飲めば安心なんですね!よかったぁ~…失敗したらどうしようかなって思って…」

風香「私は信じていました。志希さんと、晶葉さんなら皆の覚悟を裏切るような、そんな物は作らないと思っていたので…だから私達も、この薬を信じて飲まないと…!」

芳乃「飲むのはいつでも大丈夫ですー。ただし、55分までには飲んでくださいー。それから例のアイドルは晶葉さんのところへお願いしますー」

促されるままに裕子、茄子、ほたる、こずえは晶葉の元へと向かい、渡されたヘッドフォン型の機械を頭に被る。その間に志希は薬をアイドルたちに配っていく。

みちる「フゴゴ…パンと一緒に食べちゃえば…怖くないですね!」ゴクッ

瑛梨華「危なくないって分かっていても、嫌がりながら飲む☆それがTE・I・BA・N☆いやぁーっ!」ゴクッ


73 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:39:51 :0rb(主)

意を決して薬を飲むアイドル。気にすることもせずに薬を飲むアイドル。
しかしそのアイドルが居るということは紛れもなく躊躇するアイドルも居る。

沙織(の、飲まないといけないって分かっていても…ちょっとこえーです…)

蓮実「サオリさん、大丈夫ですか?手をつないで一緒に飲んだら恐怖もやすらぎますよ!」ゴクッ

沙織「蓮実さん…ありがとうごぜーます!…わだすの頑張りさ…見ててくださいPさん」ゴクッ

そんなアイドルには優しく声をかけて恐怖を安らげる。
同じ痛みを知っているアイドルだからこそ出来ることだった。


74 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:40:43 :0rb(主)

芳乃「…そろそろ55分でしてー。見る限りもう全員飲みましたねー。
では私が合図したら目をつぶって、今までのPとの思い出をー。思い出してくださいー。繰り返しー繰り返しー」

美紗希「…うんっ。分かった。私のわがままをちゃんと聞いて、辛い時は励まして。女子力がここまで上がったのも全部…Pさんのおかげだよ。ありがとう…」

イヴ「寒い中、薄着で凍えていた私に~、Pさんは服だけでなく、暖かい人生までプレゼントしてくれました~。
だから今度は私達がPさんにお返しのプレゼントをする番ですね~」

芳乃「そろそろ時間です故~。皆さん、目をつぶってくださいー」

芳乃(私達は消えますがー、そなたがもし…奇跡を起こすことが出来たらー…その時は)

芳乃(また…)

千佳「なんか…心が暖かくなってきたよ~。Pくん、私、魔法少女になれた気がする!」

保奈美「うふふっ、そうですね。なんかPさんの愛情が全部流れ込んできてるような、そんな気がしますね」

アイドル183人の姿が少しずつ薄れていく。ちひろさんからみても一目瞭然だった。
涙を流すこともせず、しっかりと目をつぶる。そしてPとの思い出を少しずつ思い出してゆく。
アルバムを眺めるかのように、ゆっくりと。繰り返し。繰り返し。
ただ静かに消えゆくのを待つ少女の姿は、今までで1番たくましく見えた。

そして全員の姿が消え、静寂を取り戻す。

ちひろ「あれ、なんで私…泣いているんでしょうか?さぁ仕事に戻らないと!…あれ?Pさんはどこ行ったんでしょうか…?」

姿が消えた瞬間、ちひろさんの脳内から、存在していたはずのアイドル183人は、まるで霧のように、あっけなく消え去った。


75 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:41:29 :0rb(主)

(翌日)

古くも新しくもない小さなアパートの一室で、男の人は目を覚ます。

P「あれ?今…何日だ?げぇっ!なんか一ヶ月も時間が進んでんぞ?!えっ?俺どうしちゃったの?なんか記憶がないんだけど?」

P「しかもなんか周りに見慣れないグッズやらなんか置いてある…?ん…?見慣れなく…はないぞこれ…どこかで見たことあるような…」

Pは近くに落ちてあった猫耳やらリボンやらメモ帳を手に取る。見たこともないはずなのになぜか見覚えがある変な違和感が襲いかかる。
その違和感を払拭するためにいろいろ見たかったが、テレビの上にある時計が仕事に間に合わなくなることを告げていた。
急いで着替えたPは、新しく設立されたばかりの事務所へと小走りで向かう。

P「おはようございます」

ちひろ「もう!Pさんどこ行ってたんですか!一ヶ月も連絡なしに!心配したんですよ!」

P「ですよね…スミマセン。どうやら何も覚えてないみたいで…部長は大丈夫ですか?」

ちひろ「部長には上手いこと言っておきましたから安心してください。というか…記憶がないって?なにか悪いものでも食べました?」

P「何も食べていないはずなのですが…おかしいですね」

ちひろ「まぁいいでしょう。設立されたばかりでアイドルがまだ居ないんですから頑張ってスカウトしてきてくださいね!」

ちひろさんは可愛い笑顔で「頑張って」と手を握りしめる。
唯一の癒やしの存在になりつつあるちひろさんを横目にドアを開ける。
近くに落ちてあるヘッドフォン型の機械に気づかないまま。


76 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:42:28 :0rb(主)

ちひろ「…Pさん」

P「…はい」

ちひろ「346プロダクションは設立したばかりでアイドルが1人もいません。其処からのスタートでスカウトするのはやっぱり難しいです。それはわかります」

ちひろ「ですが」

ちひろ「なんで一週間も経ってるのに養成所でさえ行かないんですか!」

P「…返す言葉もありません!」

P(スカウトしなきゃいけないのは分かってる…分かってるんだけど、家にあるあのグッズを見てると何故かスカウトを躊躇ってしまう自分がいる。なんでだ。なんなんだこの違和感は)

ちひろ「とりあえず後一週間本気で頑張ってくださいね!もし駄目だったらスタドリ1本1万で売りますからね!」

そういうとちひろは机に戻る。Pはやれやれというふうに首に手を当てる。そしてコーヒーを飲もうとコーヒーメーカーに向かう。その時、近くにおいてあるヘッドフォン型の機械が目にとまる。

P「ちひろさん。これは一体?」

ちひろ「あれ?Pさんが持ってきたんじゃないんですか?まさかその事も忘れてるとか?」

P「いや、本当に見覚えがないんですが…多分そうかも知れませんね」

P(とにかく被ってみるか。サイズは丁度いい。しかしなにかが起こる気配はしない)

P(ふっ、あいつら、またこんなもの作りやがって)

P(…あいつら?あいつらって誰だ?というか俺、一体どうしたんだ)

ちひろ「Pさん、そんなの被るくらいなら仕事をしてください!」

P「はいっ!すいません!!」


77 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:44:33 :0rb(主)

P「ふぅ。今日も疲れたな。というか家にあるものを処分しようにもなんかもったいないなぁ。変なものが入っている様子もないし。そういや冷蔵庫に牛乳やらケーキやらが入っていたな。腐ってしまう前に食べてしまうとしよう」

P「…うん。美味い!初めてなはずなのにやっぱりどこかで食べた気がする。しかしそんな事は気にしない!俺は今猛烈に腹が減ってるんだ!」

P「しかしこのメモ帳、謎々やらダジャレやらが書き記されているな。しかも殆どが寒い。工具やらリードやら女物のリボンやら靴まである。不気味だぞこの部屋」

P「でもやっぱり見たことあるんだよな~。どこで見たっけな~思い出せない…いや、待てよ。俺、アイドルを育てたことある…ような気がしてきた。確信は持てないが。あの機械だって被ったときに無意識に”あいつら”って言った。やっぱり俺は…」

P「まぁいいや。夜遅いし、寝よう」


78 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:45:21 :0rb(主)

P「おはようございます」

ちひろ「おはようございます!今日も頑張りましょうね!」

P「えぇ。その前にちひろさん、私、アイドルを担当していたことないんでしたよね」

ちひろ「? そのはずですよ。頭大丈夫ですか?やっぱり病院に」

P「あぁ!それは大丈夫です!何故かあの機械を見てると懐かしさを感じて」

ちひろ「またあれですか…なんならアレを被って架空のアイドルのこと想像したらどうです?もしかしたら実現してくれるかもしれませんね!」

ちひろさんは書類をまとめながら小さく笑う。物は試しだとPさんは機械を被る。

P(やっぱり知ってるぞこれ。名前は思い出せないが機械いじったり、薬を作っては迷惑をかけるあの少女たちの姿が目に浮かぶ。
それに俺の部屋にあったあれだってなんとなくだが持ち主のイメージが湧いてくる。
後少し…後少しだ。後少しで全部思い出す……そうか!俺は183人のアイドルを担当していた…強くて格好良くて可愛くて、俺でさえ尊敬してしまうアイドル達を…!)

その時だった。不思議な光がPさんを一気に包む。そしてPさんは意識を失った。


79 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:46:04 :0rb(主)

P「うん…よく寝た。あれ?いつの間にか家にいるな。確か事務所に帰る途中だったはずだが…意識がないまま帰ってすぐ寝ちゃったのかな?
…冷蔵庫にはなにもないな…コンビニに寄って仕事に行くか」

P(そういえば昨日、卯月と凛と未央が休みだったな。何してたか聞いてみるか)


80 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:46:50 :0rb(主)

未央「…でねー!あのときの卯月がね!」

卯月「み、未央ちゃん!その話は!」

ガチャ

P「おはようございます」

凛「おはようプロデューサー。寝癖直さなかったの?」

P「あっ、直すの忘れてた。まぁたまにはいいだろ」

凛「…うん」(なんでだろう。Pさんを見ると涙が出てきそう)

未央(えっ、なんでPさんのこと、こんなに懐かしく感じるんだろう)

P「卯月、どうした?なんで泣いてるんだ?」

卯月「えっ、あはは、私どうしちゃったんでしょう?なんかPさんを見てると涙が出てきちゃって」

P「おいおい、俺を不審者だと思って怖くて泣いてるってのはやめてくれよな。そういやお前ら昨日休みだったんだろ?ゆっくりできたか?」

未央「あっ!それなんだけどね!昨日3人で買い物してきたんだ!偶然オフが重なってるとは思わなくて!」

凛「うん。それで3人が着てる服、昨日買ったやつなんだけどどう?似合ってるかな?」

P「…うん!よく似合ってるじゃないか!」

~完~


81 :◆EF4y/q4eOk :2018/09/10(月)22:47:28 :0rb(主)

これにて完結です。
抜けてるアイドルが居たら教えてください。
全体的に読みづらい&長文ですがここまで読んでくださった方
ありがとうございました!


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【おーぷん2ch】「Pさんが亡くなりました」
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