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前川みく「猫の事務所」
一ノ瀬志希「猫の事務所」
高峯のあ「猫の事務所」
おーぷん2chに投稿されたスレッドの紹介です
前川みく「猫の事務所」
一ノ瀬志希「猫の事務所」
高峯のあ「猫の事務所」
1 :名無しさん@おーぷん:2018/09/09(日)23:48:44 :z4y(主)
一ノ瀬志希「猫の事務所」
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1534080346/
これの続きです。
2 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:49:23 :z4y(主)
ケット・シー『人間になりたい、だって?』
白猫『にゃー』
ケット・シー『のあ。どうして君は人間になりたいなんて思うんだい?』
白猫『にゃにゃん……にゃん』
ケット・シー『……猫のままでもみくちゃんの側には居られると思わないかい?』
白猫『にゃん……にゃにゃ。にゃーん』
ケット・シー『確かに僕らは人間に比べると器用になんでもは出来ないね』
ケット・シー『でも、猫だからこそ出来る事もある。違うかい?』
白猫『……にゃ』
ケット・シー『のあ。君ならあと三つも命を経れば人になれるよ。僕が保証する』
ケット・シー『それを待つ事は出来ないのかな?』
白猫『……にゃ』
ケット・シー『……困ったね。それほどまでに堅い意志なのか』
ケット・シー『君はまだ三つ目だ。僕の魔法と志希の薬で君を人間にしたとき、どんな事が起きるのか。僕にも想像がつかない』
ケット・シー『それでも、君は人間になりたい……いや、みくちゃんの側に居たいと願うのかな?』
白猫『……にゃ』
ケット・シー『……わかった。これもきっと運命なのだろう』
ケット・シー『君の選択が……いつか意味を成すのだろうね』
3 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:49:47 :z4y(主)
◆
猫の事務所
雪美「……」
アーニャ「アー……みく、遅い、ですね?」
のあ「……私達が気を揉んでも仕方がないわ。ゆっくり待ちましょう」
志希「にゃは~。そういうのあちゃんもさっきから落ち着かないね」
のあ「……猫はそういうものでしょう?」
雪美「にゃー……じゃない……えっと……のあも私……も……今は人……」
アーニャ「ユキミの言う通り、です。ノア。ンー……人間、なのですから、落ち着きましょう?」
志希「ん~。やっぱりアーニャちゃんと雪美ちゃんはまだ言葉がぎこちないねぇ」
P「仕方がないよ、志希。本来、二人はまだ人にはなれないはずなのだから」
志希「ありゃ、帰って来たんだ」
P「あぁ、ただいま」
雪美「王様……どこ行ってた……?」
4 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:50:02 :z4y(主)
P「次の集会の日取りを決めたからね。それを伝えてもらいにだよ」
アーニャ「集会、私達も参加……できますね?」
P「アナスタシアと雪美には集会よりも勉強を優先してもらいたいところだけどね」
志希「え~。志希ちゃん、教えるの飽きちゃったんだけどなー」
P「志希。君がしでかした事だ。責任はきちんと取ってもらうよ」
P「じゃなきゃ、君の研究室は……」
志希「あー、はいはい。わかってるわかってるってば」
のあ「……みく。遅いと思わないかしら」
P「どこか寄り道でもしているのかも知れないよ?」
のあ「……」
のあ「みくに何かあったのかも知れない」
P「考えすぎだよ、のあ」
志希「そーそー」
5 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:50:32 :z4y(主)
みく「こんにちはー! みんなー! 遊びに来たよー!」
のあ「……!」
雪美「みく……!」
みく「ゆ、雪美チャン……急に抱き着かれると危ないにゃ」
アーニャ「ミク! 会いたかった、です! アーニャ、です! 覚えて、ますか?」
みく「もっちろんにゃ! みくは友達の事は忘れないよ!」
雪美「友達……?」
みく「うんっ! 雪美チャンもアーニャチャンも! のあチャンも志希チャンもみくの友達にゃ!」
のあ「……ありがとう」
志希「にゃっはっは。照れちゃうな~」
P「いらっしゃい、みくちゃん。何のお構いも出来ないけど、ゆっくりしていくと良い」
みく「ありがとうございます、プロデューサーさん!」
アーニャ「ミク、見て、ください! 私が捕まえた、んです!」
みく「んー? ってネズミ!?」
雪美「私も……獲った……」
みく「雪美チャンまで!?」
のあ「……」
P「どうしたんだい、のあ」
のあ「何がかしら」
6 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:51:05 :z4y(主)
P「お待ちかねのみくちゃんが来てくれたのに行かなくていいのかい?」
のあ「……今は二人に譲るわ」
志希「二人とも早かったもんね~」
志希「のあちゃんが飛びつくの抑えたのに二人は一目散だったし」
のあ「……仕方がないわ。まだ二人は人になったばかりで人の世界に疎いもの」
P「でもあれは止めさせないといけないね。猫の時ならまだしも、人間サイズで急に飛びついたら怪我をしてしまうよ」
志希「~~♪」
P「志希。どこへ行くのかな?」
志希「んー。楽しいところ、かにゃ?」
P「逃げようとしたってそうはいかない。二人に教えるのは君の役目だろう?」
志希「うーん、やっぱダメかー。ちぇー」
のあ「……私も手伝うわ」
志希「え? いいの? いやー、助かるよ~。でもどして?」
のあ「……みくに一番に抱き着くのは私だから」
P「……のあ。君も一緒に勉強しなおすべきかも知れないね」
7 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:51:33 :z4y(主)
~しばらくのち~
みく「あ、そろそろ行かなきゃ」
雪美「……?」
アーニャ「ミク、どこ行きますか?」
みく「ん? オーディションだよ! 今度こそ受かってみんなと同じアイドルになるもん!」
アーニャ「オーディ……?」
雪美「にゃー……?」
のあ「オーディションよ。みくはこれを受けに東京まで来ているの」
のあ「そうよね?」
みく「うん! みくはまだアイドルになれてないからね。早く受かってのあチャン達と一緒にアイドルしたいにゃ!」
のあ「……そう」
志希「あっれー? のあちゃん、照れてるのかにゃ?」
のあ「照れてないわ」
アーニャ「ンー、……ノア、顔、赤いですね?」
雪美「りんごみたい……」
P「のあは真っ白だから赤くなると目立ってしまうね」
のあ「……」
8 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:51:57 :z4y(主)
みく「あはは! のあチャンって結構可愛いとこあるよね。クールでカッコイイけど、実はとっても可愛いってネコチャンみたいだよね!」
のあ「……覚えて、いるの?」
みく「ん? なにがー?」
のあ「いえ、なんでもないわ」
P「……」
志希「……ま、仕方ないよね」
P「ところでみくちゃん。時間は大丈夫かな?」
みく「え? 時間……ギニャっ! 遅刻しちゃう!」
みく「みんなごめんね! みく、もう行かないと間に合わないから!」
P「うん。僕らはいつでも待っているからね」
P「のあ。みくちゃんを送ってあげてくれるかな」
のあ「えぇ。任せて」
雪美「……私も」
アーニャ「アーニャも、行きたいです!」
志希「お? 賑やかになるねー」
P「君達はお勉強の時間だろう? 志希も逃げるんじゃない」
志希「にゃっはっは。駄目かー……」
9 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:52:16 :z4y(主)
雪美「……行きたい」
アーニャ「アーニャもです……」
みく「また今度来るからその時はもっと一緒に遊ぼ! だから今日はレッスン頑張るにゃ!」
雪美「みく……」
アーニャ「ダー! アーニャ、頑張り、ます!」
P「レッスン?」
志希「みくちゃんはお勉強をそう解釈したんじゃない?」
P「あぁ、なるほど」
みく「じゃあ、また今度ね! ばいば~い!」
雪美「バイバイ……」
アーニャ「また、会いましょうね、ミク!」
志希「オーディション頑張ってね~」
P「のあ、みくちゃんを頼んだよ」
のあ「……任せてちょうだい」
のあ「みく、行きましょう」
みく「うん!」
10 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:52:50 :z4y(主)
◆
オーディション会場
のあ「ここでいいのかしら?」
みく「うん、そうだよ! 今日はここの5階でオーディションなんだ」
のあ「……随分と古いビルなのね」
みく「あはは……確かにちょっとね。でもせっかく見つけたチャンスだからちゃんと掴みたいにゃ!」
のあ「みく、応援しているわ。頑張ってちょうだい」
みく「ふっふっふ。今日はイケる気がするから大丈夫にゃ!」
のあ「そう……」
みく「あのね、のあチャン」
のあ「なにかしら」
みく「みくね、アイドルになれたらのあチャンと一緒にお仕事したいにゃ」
のあ「……」
みく「だから、みく頑張るね!」
のあ「えぇ。応援しているわ」
11 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:53:35 :z4y(主)
のあ「……みく」
みく「ん? なぁに?」
のあ「私はずっとみくを見てきたわ。みくなら大丈夫。私が保証する」
のあ「だから自信を持って頑張ってきなさい」
みく「のあチャン……」
みく「ありがとね、のあチャン。みく、頑張ってくる! アイドルになってくるね!」
のあ「えぇ。私は待っているわ」
のあ「頑張って」
みく「うん!」
みく「じゃあ……行ってきます!」
のあ「いってらっしゃい」
のあ「……」
のあ(……みくのオーディションが終わるまでは暇ね)
のあ(事務所に戻ってもいいけど、それよりはお昼寝をしようかしら)
のあ(確かあっちに陽が射して気持ち良い場所があったはず)
のあ(……それにしても本当に古いビルね)
のあ「みくに何もなければいいのだけれど」
12 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:54:41 :z4y(主)
◆
みく「うげっ。エレベーター壊れてるって……どんだけボロなの……」
みく「階段は……えっと、こっちかな?」
みく「なんか薄暗いけど、電気とか点かないのかなぁ」
みく「まぁ、仕方ないにゃ! いっくぞー!」
みく(うあー……き、緊張してきたにゃ……!)
みく(今度こそ……今度こそオーディションに受からないと……)
みく(……考えれば考えるほどネガティブになってくる)
みく(何か気を紛らわすものないかな……)
みく(……あ。のあチャンのハンカチ)
みく(……やっぱりこのハンカチ見覚えがある気がする)
みく「昔……どこかで……?」
みく「うー……駄目にゃ。ぜんっぜん思い出せないにゃ。うーん」
13 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:55:13 :z4y(主)
みく「はっ! それよりも集中しなきゃ!」
みく(どこか一人になれるとこないかな。曲の確認だけでもしときたいし)
みく「ん? あれ、なんでこの部屋のドア開いてるのかな」
みく「ちょっと覗いてみよっかな。すみませーん、誰か居るんですかー?」
みく「あれ、誰も居ない。というかリハ室なんだ、ここ」
みく(ちょっとくらい借りても良いかな……オーディションまでダンスも確認したいし)
みく「きっと謝れば許してもらえるよね。というわけでお邪魔しまーす」
みく「イヤホンどこだったかな~っと。あったあった」
みく「よしっ! 気合入れて一度だけ練習にゃ!」
14 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:55:39 :z4y(主)
◆
スタッフA「あっぶねー。鍵かけ忘れてたわ。危うく怒られるとこだった」
スタッフA「この部屋の内鍵壊れてるから、誰か入らないように張り紙もして……これでよし」
スタッフB「おーい、そろそろオーディション始まるから集まれってよ!」
スタッフA「うーい、了解でーす。鍵かけたんですぐ行きまーす!」
スタッフB「ここも壊れてるんだっけ? あちこち壊れてるせいで把握しきれないんだよ」
スタッフA「そうですね。いい加減直してほしいですよね」
スタッフB「仕方ないだろ、予算に余裕ないらしいし」
スタッフA「俺らの給料ちゃんと出るんですか?」
スタッフB「さぁな……」
15 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:56:04 :z4y(主)
◆
みく(えっと、ここでターン。ステップが遅れがちだから気を付けて……)
みく「最後は笑顔で……びしっとね!」
みく「にゃふふ……! かんっぺきにゃ! 今までにないくらい完璧な出来栄えにゃ!」
みく「きっと、これならアイドルになれるよね……」
みく「げっ! そろそろ時間にゃ! 行かないと!」
みく「ん?」
みく「あれっ? なんで開かないの?」
みく「鍵かけたっけ? ん? んぐぐ~……! か、固いにゃ……! このっ……!」
みく「はぁ……駄目にゃ……」
みく「すみませーん! 誰か居ませんかー!」
みく「うーん……困ったにゃ……」
みく「ここの事務所の人に連絡するしかないかー……」
みく「勝手に入った事でオーディション受けれなくなったりしない……よね?」
みく「……きっと大丈夫。うん。えっと、スマホスマホ……」
みく「うっそだろ……なんでよりによってこんな時に充電が……」
みく「ん? この音、何?」
16 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:56:30 :z4y(主)
◆
のあ「!」
のあ「……嫌な予感がする」
のあ「みくに何かあった……?」
のあ「……みく!」
野次馬A「うわー、めっちゃ燃えてる」
野次馬B「消防車まだかよ」
野次馬C「あそこなんの建物だっけ?」
野次馬D「芸能事務所だったか養成所とかって聞いたけど」
のあ「通してちょうだい」
野次馬A「おい、押すなよ! なん……あ、はい、どうぞ!」
のあ「……! みく!」
のあ「誰かあそこから出てきた!? 女の子……、15歳くらいの女の子は居た!?」
野次馬B「えっ? いや、すみませんわかんないです」
のあ「……そう」
野次馬C「ちょっと! 危ないですよ!」
のあ「離してちょうだい。私はみくの所に行かなきゃいけないの!」
野次馬D「消防署に任せましょうよ! お姉さんが行くのは無茶ですって!」
のあ「それでも行かなきゃいけないのよ!」
野次馬A「おい!」
野次馬A「マジかよ、行っちゃったぞ。おい、どうすんだよ」
野次馬B「俺に言われたって知るかよ……とりあえず消防が来たら伝えるしかないだろ」
17 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:57:00 :z4y(主)
◆
みく「ゲホッゴホッ……!」
みく(煙がもうこんなに……!)
みく「あ、開けて! お願い! 誰か……げほっ! 誰か居ませんか!?」
みく(どうして……どうしてみくがこんな目に遭わなきゃいけないの……)
みく(勝手に入ったから? アイドルって夢ばっかり見てたから?)
みく「ゲホゲホッ……!」
みく(どうして……どうして……神様……お願い……!)
みく「誰か……助けて……」
のあ『みく!?』
みく(のあチャンの声が……聞こえる気がする……)
みく(最後にもう一度だけ……会いたかったな……)
みく「のあ……チャン……」
のあ『みく! ここね!? 待ってて! 今助けるから!』
18 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:57:47 :z4y(主)
◆
消防A「下がって! 危ないから下がって!」
消防B「女性が入って行ったんですね!?」
野次馬A「はい! 銀髪の綺麗な人が入って行きました!」
消防B「わかりました。情報ありがとうございます!」
消防B「建物内に人が残っているとの情報があります! 至急応援を!」
P「建物内に残っている人というのは、みくちゃんとのあの事かな」
消防A「心当たりがあるんですか!?」
雪美「……みく、オーディション」
志希「ここでやってるのに間違いはないの?」
アーニャ「アー……、ノアがここに送ると、言ってましたね」
P「のあも周囲に居ないし、となると建物の中にまだみくちゃんが残っている可能性が高いね」
志希「だね~。のあちゃんは助けに行ったんだと思う」
P「じゃあ僕らも行こうか。火はとりあえず僕に任せてくれ」
雪美「消せるの……?」
P「完全に消すのには時間がかかるから、今は火の動きだけ止めておくよ」
P「その間にみんなでみくちゃんとのあを探すんだ」
19 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:58:09 :z4y(主)
P「と言うわけなので、そこをどいてくれるかな」
消防A「何を言ってるんですか! 一般人を通せるわけがないでしょう!?」
アーニャ「ンー、アーニャたち、一般人じゃないですね?」
消防A「はぁ!?」
P「君。今からこれ以上燃え広がらないように火の動きを止めるから、消火は任せてもいいかな?」
消防A「あんた達はさっきから何を言ってるんだ!」
志希「だーかーらー。王サマが火を止めるって言ってるでしょ?」
消防A「そんな事が出来る訳ないだろ!?」
P「そうだね。君達人間には出来ないだろう」
P「でも僕には出来るんだ」
P「そういうわけで人間には引っ込んでいてもらおうか」
P「志希、準備は?」
志希「いつでも行けるよー」
志希「ね? みんな?」
猫たち『にゃー!』
消防B「な、なんだこの猫の群れ……! 何匹居るんだ……」
P「じゃあ、みんな頼むよ。みくちゃんとのあを見つけたら僕の所まで報告に」
P「途中で他の人間を見つけたら安全そうな所まで連れて行ってあげて欲しい」
P「さて。それでは行こうか!」
20 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:58:40 :z4y(主)
◆
のあ(思い切り体当たりをすればなんとか壊せないかしら……)
のあ「……?」
のあ「火の勢いがさっきから変わらない……?」
ペロ「にゃー!」
のあ「ペロ?」
ペロ「にゃにゃ!」
のあ「すぐに王に伝えてくれるかしら。みくはここに居るのだけど、扉が開けられないの」
ペロ「にゃっ!」
のあ「……王が来てくれたならもう大丈夫ね」
のあ「みく! すぐ助けるからもう少しだけ待っていて!」
のあ「げほっごほっごほっ……」
のあ(煙を吸込み過ぎたかしら……)
のあ(あたり一面煙で真っ白だし、ずっと立っていれば煙を吸ってしまうのも無理はない……)
のあ「猫のままならあまり吸わずにすんだのかもしれないわね……」
のあ「……!」
のあ(私がここにたどり着いた時にはすでにこの状態だった……となるとみくは……!?)
のあ「みく! みく! お願いだから返事をして! みく!?」
21 :名無しさん@おーぷん :2018/09/09(日)23:59:58 :z4y(主)
P「げほげほっ……さすがに煙たいね」
雪美「にゃー……けほけほっ……!」
志希『だからガスマスクつけるか聞いたのにー』
アーニャ「ダー……シキの言う通りでした……」
志希「ぷはぁっ。でも息苦しいからはーずそっと」
P「待たせたね、のあ」
のあ「早く! この扉を開けて!」
P「どうしたんだい? そんなに慌てて」
のあ「みくがここに居るの! さっきから声も聞こえない!」
P「少し離れて! ……!」
のあ「みく!」
みく「……」
雪美「みく……!」
アーニャ「ミク! 大丈夫ですか!?」
志希「これは……」
P「……まずいね。尽きかけている」
のあ「みく! みく!」
みく「のあ……チャン……?」
のあ「えぇ、そうよ! 助けに来たわ!」
みく「にゃふ……ありがと、のあチャン……ハンカチ……役に立ったよ……」
みく「……会えて、よかっ……」
のあ「みく! しっかり!」
22 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:00:32 :z4y(主)
のあ「王! なんとか出来ないの!?」
P「……すまない。命を創る事は出来ない」
のあ「……志希!」
志希「……あたしのクスリは生きていないと効果がないよ」
P「のあ」
のあ「いやっ……! いやよ……そんな……!」
のあ「あなたを守るって言ったのに……どうして……」
雪美「みく……」
アーニャ「どうにか、出来ませんか? マホウでもクスリでも何か……」
P「無理だ。尽きてしまった命を創る事は出来ない」
P「命を動かす事は出来ても、創る事は僕にも主にも出来はしなかった」
P「命を創れるのは神だけだ」
のあ「命を……動かす……?」
のあ「王、命を動かす事は出来るのね?」
P「あぁ、可能だ。でもみくちゃんにはもう動かせる命が……」
のあ「私の命をみくに動かして。残っている全ての命を」
23 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:01:14 :z4y(主)
P「……のあ。人間の命は僕ら猫よりも複雑なんだ。猫の命を人間に与えても到底足りはしない」
アーニャ「アーニャのを足してもダメ、ですか?」
雪美「私も……」
P「……何を言っているかわかっているのかい?」
志希「もちろん。あ、あたしの命もみくちゃんにあげる♪」
P「志希……君まで何を……」
志希「王サマ。あたし達だけじゃない。ここに居るみんなみくちゃんに命をあげるつもりだよ」
猫たち『にゃー!』
のあ「みんな……」
ペロ「にゃー。にゃにゃ」
雪美「うん……ペロの言うとおり……みんなみくに救われたから……」
アーニャ「アーニャ。ミクに恩返し、したいです。ミクがくれたご飯。美味しかったですから」
P「……はぁ。王としては同族の命を使うのに抵抗があるんだけど」
P「でも……君達の願いを叶えるのもケット・シーの役目なのかも知れないね」
24 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:02:53 :z4y(主)
のあ「じゃあ……!」
P「だが、ここに居るみんなの命ではまだ足りない」
のあ「そんな……100匹を足してもまだ駄目なの……」
志希「……人間の命はあたし達よりも質が良いからねぇ」
P「だから足りない分は僕の命を使うよ」
P「みくちゃんは君達の恩人だからね」
のあ「王……!」
P「きっと、この日のために僕はケット・シーになったんだろう」
P「じゃあ、始めようか……僕の、僕達の最後の魔法を」
P(主……これで良かったのかな。良かったのなら……褒めてもらいたいな。いつかどこかで)
25 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:03:13 :z4y(主)
◆
みく『ここは……?』
みく『真っ白で何にもない……』
みく『あれ? みく、さっきまで火事に巻き込まれて……』
みく『あ、はは……そっか、みく死んじゃったんだね……』
みく『天国ってこんな場所なんだ。真っ白で寂しいな……』
みく『……ぐすっ』
みく『どうして……まだやりたい事もたくさんあったのに……!』
みく『どうして……!』
のあ『みく』
みく『のあ……チャン?』
のあ『みく、お別れを言いに来たわ』
みく『お別れ……やっぱりみくは死んじゃったんだね』
のあ『いいえ。みくはこれからもまだまだ生きる。私達の分まで。ずっとずっと』
みく『のあチャン?』
のあ『みく。あの時に貴女に救われたこの命。貴女に返すわ』
のあ『私だけじゃなく、みんな、貴女に命を返すの』
のあ『だから、私達の分まで生きて、夢を叶えて』
のあ『お願いよ。貴女は私達のアイドルなのだから』
みく『え、待って。のあチャンが何を言ってるかわかんないにゃ!』
みく『待って! のあチャン! 行かないで!』
26 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:04:04 :z4y(主)
◆
消防A「早く! 消火急げ!」
消防B「おい! 入口の所に人影が見えるぞ! 二人だ!」
消防A「大丈夫ですか!?」
のあ「……みくをお願い。きっともう大丈夫だとは思うけど。念のために病院に連れ行ってちょうだい」
みく「……ぅ」
消防A「大丈夫ですか! しっかり! 担架! 早く!」
のあ「……みく。貴女はもう大丈夫よ。それじゃあさようなら」
消防B「貴女も早く病院に……、居ない……?」
のあ「……これでみくはもう大丈夫ね」
のあ「……みくを送り届ける分だけ残してくれたけど、もう時間切れみたい」
のあ「みく。貴女に会えて良かったわ。ありがとう……さようなら」
のあ(みく……私の……大好きな人……私の……アイドル……)
27 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:04:58 :z4y(主)
◆
猫の事務所(?)
みく「……」
白猫「」
みく「のあチャン、だよね」
みく「あのね、のあチャンのお陰でみく助かったよ」
みく「お医者さんが言うにはあんなに煙を吸ってて生きてるのが不思議だって」
みく「のあチャンが……、みんなが助けてくれたから……!」
みく「こんなに汚れちゃって、せっかく綺麗な毛並みが台無しだよ」
白猫「」
みく「ここってすごく良いところだよね。陽が射して暖かいし、お昼寝したらすっごく気持ちよさそう」
みく「だから、のあチャンもお昼寝してるだけなんだよね?」
みく「のあチャン……起きてよ……」
みく「またみくと一緒に遊ぼうよ……」
みく「のあチャン……!」
白猫「」
みく「うっ……ひっく……うわぁぁん……! のあチャン……! みんな……!」
みく「みくを……! みくを助けてくれて……ありがとう……!」
みく「ひっく……ひっ……うぇっく……」
みく「……生まれ変わったらまたみくと一緒に遊んでね」
みく「それまで、みくはずっと待ってるから……」
みく「ハンカチはまた会えた時に返してね。みくのお気に入りだから……」
みく「さよなら、のあチャン」
28 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:06:02 :z4y(主)
◆
P『……ここは』
P『そうか。これが死後の世界という奴かな』
P『となると、どこかにみんなも居るのかな』
??『じゃんっ♪ お久しぶりですね』
P『……あぁ、主じゃないか。久しぶりだね』
??『久しぶりに会ったのに随分と冷たいんですね。昔みたいにじゃれてきてもいいんですよ?』
P『ははっ、懐かしいね。それも良いかもしれない』
P『でもね、主。僕は主に言われたように長い間ケット・シーとして生きたからね』
P『猫らしい甘え方なんて忘れてしまったよ』
??『……私のお願い通りに勤めてくれたんですね』
P『それが主の望みだったろう?』
??『ありがとうございます♪』
29 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:06:24 :z4y(主)
??『それじゃあそんな良い子なあなたに何かご褒美をあげましょう。何がいいですか?』
P『……僕は何もしていないからね。褒美をあげるならのあ達にあげてくれ』
P『主にまた会えただけで僕は幸せだよ』
??『ありがとうございます。あなたは本当に良い子ですね』
??『でも、のあちゃん達みんなにもご褒美をあげるって言ったらみんな「王様にあげて」って言ってましたよ?』
P『……本当に自慢の同族だね』
??『はい♪』
??『なので、私が独断でご褒美決めちゃいますね♪』
P『え?』
??『今の私は神様ですから』
P『……そうか。辿り着けたのか』
??『はい。やっとです』
P『なら……ひとつだけわがままを言ってもいいかい?』
??『なんでしょう?』
P『今度は……主も一緒に』
??『ふふっ♪ 仕方ないですね』
??『では、人間として。みんなで会いに行きましょうか』
??『私もみんなが大好きな「みくちゃん」に会いたいですし』
??『あなたが作った猫の事務所も見てみたいですから♪』
P『自慢の事務所だ。きっと主も気に入るさ。あの世界で最高の場所だからね』
30 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:07:02 :z4y(主)
◆
後日 東京
みく「……はぁ、今日もダメだったにゃ」
みく(あの火事の後も、みくはこうしてアイドルになるために東京に出てきている)
みく(あんな危ない目に遭って一人で東京に行くのは猛反対されたけど、それでもみくはまたオーディションを受けに来ている)
みく「みくは……みんなの分も生きなきゃいけないもん! 夢を叶えなきゃ!」
みく「でもさすがに辛いにゃ……」
みく「はぁ……」
みく「帰る前にのあチャン達のお墓参りだけしていこーっと」
??「あ、見つけました♪」
みく「え?」
??「じゃんっ! こんにちは、前川みくちゃん、ですよね?」
みく「えっと……はい。そうですけど……」
みく(えっ、誰にゃこの派手な蛍光グリーンのお姉さん……)
??「まぁまぁ。私の事はいいじゃないですか♪」
??「私は代わりに来ただけですから」
みく「代わり?」
??「はい♪」
31 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:07:42 :z4y(主)
ちひろ「あ、私は千川ちひろって言います。よろしくお願いします、みくちゃん」
みく「あ、どうも……前川みくです」
ちひろ「はい。みくちゃんの事はうちの……えーっと、今はプロデューサー?さんから
聞いてます」
ちひろ「みくちゃん、うちでアイドルやりませんか?」
みく「えっ!? スカウトって事?」
ちひろ「まぁ、そんなようなとこですね」
みく「怪しいにゃ……」
ちひろ「まぁまぁ♪ とりあえず事務所に来て話だけでもどうですか?」
みく「ごめんなさい、みく行くところあるから……」
ちひろ「はい♪ それも知ってます! 行先同じですし、大丈夫ですよ♪」
みく「えぇ……?」
ちひろ「ハンカチ」
みく「!?」
ちひろ「ハンカチ、返してもらえますよ?」
みく「えっ!? ちょ、どうして!? どうして知ってるの!?」
ちひろ「さぁ? どうしてでしょうね?」
ちひろ「着いてきてくれれば分かりますよ、猫の事務所に」
32 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:08:59 :z4y(主)
◆
猫の事務所
みく「……そんな、嘘でしょ? どうして……?」
みく「だって確かにここは……えっ……? なんで……? だってここにのあチャン達のお墓を……」
ちひろ「遠慮せずにどうぞ入ってください。みくちゃんもよく知ってる場所ですよ♪」
みく「え、はい……? お、お邪魔しますにゃ……」
のあ「みく!」
みく「うぼぉぁっ……!」
志希「にゃはは。のあちゃん、飛びついたら危ないでしょ」
雪美「のあ……ずるい……」
アーニャ「ンー。仕方、ないですよ、ユキミ。今回はノアの番、ですね?」
みく「志希チャンに雪美チャンにアーニャチャン……?」
P「やぁ、いらっしゃい。みくちゃん」
みく「プロデューサーさんまで……!?」
P「うん。他にもちゃんとみんな居るよ」
P「おほんっ。さて本題だけど……」
のあ「みく、私達と一緒にアイドルやりましょう」
みく「へっ?」
ちひろ「我が猫の事務所はみくちゃんがうちからアイドルデビューする事を望んでいます。これ契約書です。サイン、お願いできますか?」
33 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:09:38 :z4y(主)
みく「待つにゃ待つにゃ!? え!? 何!? どーゆーこと!?」
のあ「アイドルになりたいのでしょう?」
みく「確かになりたいけど! そこじゃない!」
ちひろ「じゃあさくっとここにサインをお願いします。現代の人間社会は昔より契約が重要なんですよ」
P「主の頃も重要だったと思うけど?」
ちひろ「昔よりも重要なんですよ。あと今はちひろです、プロデューサーさん?」
P「あ、はい。すみません……」
志希「うーん、みくちゃんがいー感じに混乱してるねぇ」
雪美「みく……グルグルしてる……」
アーニャ「ンー。アーニャ、難しい事、まだわからない、です」
のあ「みく、早くサインを……」
みく「だーっ! もうわかったにゃ! サインすればいいんでしょ!? サイン! ほら! これでいい!?」
P「うん。ありがとう。これでみくちゃんも猫の事務所の一員だ」
ちひろ「一緒にアイドルとして頑張りましょうね♪」
一同「ようこそ! 猫の事務所に!」
みく「えぇ……もうにゃにがにゃんだか……」
のあ「みく。ハンカチ、今度こそ返すわ。ありがとう」
みく「……うん。どういたしまして!」
のあ「それと、これからは同じアイドルよ。よろしく、みく」
みく「こちらこそよろしくにゃ!」
みく「アイドル、一緒に頑張ろうね、のあチャン!」
みく「もうわけがわからないけど、のあチャン達と一緒なら怖いものなしにゃあ!」
End
34 :名無しさん@おーぷん :2018/09/10(月)00:12:40 :z4y(主)
以上です。
これにて少し不思議な猫の事務所のお話は全てお終いです。
これからはみんな人間として、トップアイドルを目指していくのですよ、きっと。
それではお読み頂ければ幸いです。
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【おーぷん2ch】高峯のあ「猫の事務所」
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